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執筆者であり僕の友人でもある、「大」さんこと、朝倉さんのご厚意により、
ウェットフライフィッシングマニュアルを掲載させて頂きました。


●ウェットフライ・フィッシングマニュアル
                               執筆者:朝倉大成氏 

はじめに

 この項目では、「ウェットフライとは?」等という講釈を抜きにして、実戦で参考となる内容にまとめたつもりです。また、最近注目されているにもかかわらず、馴染みの薄いウェットフライについて楽しい釣りであることを知って戴き、充実した楽しいフライフィッシング・ライフへの一歩となれば幸いと思っております。

 また、このマニュアルは私の経験による独断と偏見にて執筆されておりますことをご了承戴きますようお願い致します。

【1】 ターゲット

 フライのターゲットは鱒ばかりでなく、鯉、ハヤ、オイカワ、ブラックバス等が対象となりますが、ここでは私個人の趣味嗜好により「鱒」に限定させて戴きました。

 国内でターゲットとできる鱒は、在来種及び外来種を含めて以下が代表的なものとなります。

<在来種> イワナ・ヤマメ・アマゴ・サクラマス・サツキマス・アメマス・ヒメマス等々

<外来種> レインボー(ニジマス)・ブルックトラウト・ブラウントラウト・レイクトラウト等々

これらの中で、誰でも簡単に(?)釣れて馴染みのある「イワナ」「ヤマメ」「レインボー」について、渓流・大川・用水に分けて攻略のしかたを考えていきます。

【2】 ウェットフライの世界へ

 きっとウェットフライで釣果が上がらない方は、ドライフライで釣ったことのある人でしょう?こんな人たちは「ドライ」の言葉を忘れてください。(^^;

ウェットの場合、ドライのそれとは全くことなり、キャスティングからヒットまで全てと言ってよいほど異種のものと私は感じています。
 ドライの場合は「視覚の釣り」であるのに対してウェットフライは「感触の釣り」と言えます。ドライは魚が水面を割るのを目で見て釣りますが、ウェットはラインからロッドに伝わり指先に伝わる感触と勘で釣ることから、ルアーに近い釣りとも言えると思います。
 また、ドライと比べるとタックルもヘビーであり、ターゲットのサイズから考えるとドライの常識から考えられない内容となります。
 実は「ヘビータックル」これが釣果を大きく左右する最大の要素であり必須の条件です。ライトタックルの場合、タックル自体に「張り」というのがなくなりフライのコントロール(水中)が困難となってしまい、意図のままに「フライを泳がせる」ことがまず不可能です。ドライはフライをあくまでもナチュラルに水面を流すことを重視したタックル&テクニックですが、ウェットの場合は水生生物(虫や小魚)を意識して時にはナチュラルに時にはアクションを与えて演出を行います。

それともう一つ、ウェットならではのドロッパーなる枝針を2本から4本リーダーに1フィート間隔で取り付け、それぞれに異なるサイズ異なるパターンのフライをセットするため、これをキャストするためには、なおのことヘビータックルが必須となってくるわけです。

 ウェットの場合、「魚はパターンの食餌効果より水中を泳ぐアクションに誘われてアタックする」故にタックルは、これを演出できるものが必要であります。

 参考に私が福島で渓流用に使っているイワナ・ヤマメ用タックルをちょいと紹介しますね。


  ロッド    9ft #5 (パラボリックアクション)
  ライン    DT5F
  リーダー   3x 5ft
  ティペット  2x 1ft
  ドロッパー  2x 1/3ft 2本〜3本
  フライ    #6〜#12

 ドライと比べるとゲゲッ!と思えるでしょ!(^^;

 ウェットの場合フライは水中にあり「流れがあれば水に揉まれ」「ドロッパーはキャスト時に絡まる」等の理由から太いリーダーとティペットを使用し、ラインをピンッと張ってフライから伝わるヒット時のショックを得るため「長めののロッド」と張りのある「重いライン」を使用しています。
 ロッド・ライン・リーダー・ティペット・フライは感覚を持ったフィッシャーマンの腕であり指先なんですよ。それ故、ウェットフライの場合「フライを流す」のではなく「フライを泳がす」ことが可能となります。

 ウェットは「ダウンクロス」で流れを横切るだけだ」なんて思われるかもしれませんが、実際にはドライ以上に繊細かつ複雑で多くのテクニックが存在します。

  アップストリーム

  ナチュラル・ドリフト

  ターン

  リトリーブ


 ここで、ドライと決定的に違うのは「ターン」でありますが、これは非常に有効で鱒達を狂わせるテクニックで、意図的にはドラッグをかけてフライの泳ぐ方向を変えさせる場合と、ラインが流れの抵抗を受けてドラッグがかかり泳ぐ方向が変わる場合の二つがあります。

 きっとルアーで釣ったことのある方は理解戴けると思いますが、ルアーが流心を横切る時に軌跡は弧を描いているでしょ、魚はあのときにアタックしてくる場合が多いんですよねぇ。原理的にはルアーのターンと同様に考えて良いのですが、フライの場合ルアーと違って「フライ自身はたいへん軽い」ため、それ相応のテクニックが必要となってきます。このへんの話は、フライ教本がいろいろあるので、そちらにまかせておきたいと思います。

 ただ言えることは、「よく釣れる!」「大物が釣れる」ということです。
大物を釣りたい! 沢山釣りたい! ボーズはやだ! と心から思っていると、必然的に「人が釣らない場所や釣りができない場所を釣る!」ことになります。
 ドライではどうしても攻略できない場所をターゲットとするには・・・結論はウェットであろうと思います。(^^;

【3】 ウェットフライ

 ウェットフライは、ドライのパターンとことなりイミテーションよりファンシー性を重要視して作られています。その理由は、ドライのように水面に浮かせ限りなく羽虫に似せマッチ・ザ・ハッチを意識する必要がないからでしょう。(^^;
 ウェットは水に沈めドラッグをかけて(もちろんドラッグフリーも使いますが)リトリーブ等を行い、鱒の習性を利用して反射的に捕食させたり、形ではなく動きをイミテーションするからです。

 パターンはパターンブックにいろいろ載っていますからここでは割愛して、ウェットフライの必須要素について説明します。

1.<フックサイズ>

 フックは#6〜#14程度が普通で、そして太い重いものを使用します。それはフライの要素の中から「浮かせる」要素がなくなる代わりに、「沈める」要素が加わるためです。

2.<ドレッシング>

 ボディやハックルを厚めにすると、フライの浮力が上がるため表層を釣る場合やドロッパーのLastフライなんか使用する場合は効果的です。逆に薄くドレッシングすると浮力が減り沈みやすくなるので、フライを深く沈めたい場合やドロッパーのTopフライにには最適となります。

 また、マテリアルは浮力が無く吸水性があるものが良く、ハックル等は使用前に中性洗剤で良く洗い油脂を落としておいたほうが良いでしょう。必要があればシンカーとして鉛線を巻き込んだり、場合によっては沈めるタイプのドレッシング剤を使用します。

3.<ファンシー性>

 「ウェットはアートだ!」と私は感じています。それは、釣法が反射や動作を重視するため、派手な色づかいや楽しい形のフライを自由にタイイングでき、そのフライで実際に魚を釣ることが可能だからです。赤や青のハックルを使うことはもちろん、金銀のティンセル等を使って色鮮やかな派手なパターンを使うことができます。

 私はオリジナルのピンクレディーなるフライを愛用しています。とてもこれで釣れるとは信じがたいド派手パターンなんですが、これがまた良く釣れるんですよ。

  フック        : #10 (ウェット用ヘビーフック)
  スロートハックル : オレンジハックル
  ウィング      : イエローダッククイル
  ボディー      : オレンジハックル

【4】 渓流での攻略

1.<源流>編

 源流部の場合、川幅が狭く落差のある激しい流れや、ガレ場・ヤブといったフライには不利な条件が多いのですが、魚さえいればたいへん釣りやすいとも言えます。

 特に私はヤブが好きで、ヤブは身を隠せるし他の釣り師が敬遠するので簡単に釣ることができます。(但し、汗だくのヤブコギが付いてまわりますがネ)
 ヤブをあまりガサガサしないで流れに近づき、顔とロッドだけを川面に出してラインを水面にたらして下流へと必要な長さ流しラインがピンと張ったら上流に向けてサイドキャストによりフライをプレゼントします。この方法だと川の上を潅木が覆っていても水面との隙間が1mあればフライをプレゼントできますよん。(^^;
 思い通りにプレゼントできたらナチュラルドリフト&ターンで大物が?手中に・・・

 タックルですが、川が開けているのであればロッドは8ft以上が使いやすいのですが、ヤブの中や木の枝が覆いかぶさっている場合などは7ftを使用し、ラインはDT#4F以上でリーダーは3x5ft程度でよいでしょう。

 キャスティングは、大きなループでフライをターンオーバーさせて流れに突き刺すように行い、「バックキャスト1回フォルスキャスト無しでフィニッシュ!」バックキャスト無しフォルスキャスト無しのフィニッシュ!」なんてのを私の場合はよくやります。これはドライと違ってフライを乾かす必要もないし、ドロッパー等を使うとリーダーのトラブルが多くなるので不要なフォルスキャストを多用しないためです。

 特に源流部の場合は、スレていなければ「ひらき」と呼ばれる瀬尻や淵尻に魚がでている場合が多く、ここの魚を散らすと、この上手の瀬や淵までポイントを潰すことになりますので注意が必要です。ここの魚を釣るためには、斜め下流からアップクロスにフライをプレゼントし、瀬尻または淵尻をフライが横切るように泳がせて下さい。この場合できるだけ次の落ち込みぎりぎりのところを引ければ食い気のある魚はイチコロで、ターンしながらススッーっと走るフライを追いかけて、落ち込みの寸前でフライをくわえるのを見ることができるでしょう。(^^;
 それから、規模の小さい河川や流れに変化のない平場でのメンディングは禁物!フライ教本等には「メンディングしてナチュラルドリフトさせるする」とよく書かれてますが、これはこういうテクニックを使わないとナチュラルドリフトできない距離をターゲットとする場合で、小渓流の場合(特に平水以下の水況)はあまり必要性は無いし、鱒を警戒させることにもなってしまいます。

 つぎに落ち込みですが、魚は白泡の下や脇の巻き返しに付いているので、ここを攻略するためにはフライを水底まで沈めることが必要となります。そのためフライは落ち込みに直接ほうり込み、水流にのせて底まで沈めてやることでたやすく沈めることができます。このとき、フライは白泡の中で水に揉まれるため絡まることがよくあるので、ラインには少しテンションをかけておいて下さい。
 ラインが下流方向または巻き返しに流れはじめたら、少しロッドをあおり縦方向のターンにより泡の下に潜んでいるであろう鱒に誘いをかけてあげます。このあおった瞬間にガツンとヒットすることがしばしばありますね。
 もしヒットしなかったら、流れにフライを乗せてナチュラルに下流へ送り込み、白泡の切れるあたりでラインを手繰りフライをターンさせて誘いをかけます。ここでもヒットしなければ、ヒラキ近くまで更にフライを送ってラインが延びきったタイミングで再度大きく流心を横切るターンをします。

 盛期には最も魚が付いている場所が「瀬中」という瀬の中程で、その瀬の平均サイズが確実に釣れ、しかもこの場所はわりと見過ごされがちで、多くのアングラーはその先にある美味しそうな落ち込みしか目に入らず踏んで行く場合があります。 どんな場所かというと、白泡が消えて流れが底に押し付けられるように流心部に集まり中心が盛り上がるような流れなんですが、この中に水面には変化のない沈石なんかがあれば、その前後に必ず鱒が付いています。先行者がいても鱒は必ずここに潜んでいると考えて間違えありませんよ。
 また、瀬中に岩のエグレや裂け目なんかがあれば必ずそのなかに鱒が潜んでいると思って間違いないでしょう。ここを釣るには細心の気使いが必要で、アプローチがまずいと鱒は出てきてくれません。腰を低くして(膝を付く位に)そーっとポイントの真横にスタンスをとり、水面をラインで叩くことなく流れに対して直角にキャストをしてナチュラルドリフトでフライを流下させつつチョンチョンとラインをリトリーブして小さいターンを繰り返し、最後の流心を横切る大きなターンをさせます。鱒はフライが流心を横切り泳ぐ方向を変えた瞬間にフライをくわえます。
 この時注意して欲しいのは、絶対に流れに立ちこまないことです。源流部の場合は河川規模が小さいので不自然な水音一つで大物は隠れて出てきませんよぉ。(^^;

 源流部の場合、ウェットであればフライで釣りをできない場所はほとんど無いと言っても良いでしょう。 なんせドラッグあり・バックキャストなしですからね。(@''@;
ちょっとオーバーですがルアーで釣りができる所であれば、ほとんどの場所はバッチリでありますよん。

2.<里川>編

 里川は鱒以外の外道が大手を振って暮らしていて、鱒族はひっそりと隠遁生活を送っていて、大手を振って活躍するのはイブニングくらいでしょうか。
 川は護岸や堰堤等が多くあり、河川工事による土砂の流出で川底が埋まって渓流とは付場や食性がことなるため、必然的に攻略方法も違ってきます。

 私の場合は、近所の里川(福島では市街地を流れる里川でも鱒がいる所があります)で、ドロッパーを含めて5本のフライをセットして釣りをしていて、渓流のサビキ釣りなんて言われています。(^^;
 でも、これって釣れるんですよぉ〜! なんせ、川の端から端までを底から水面までズズズィ〜ッとフライが泳ぎますから、そこに鱒がいれば必ず鼻先をフライがユラユラと通り過ぎるわけです。もし、あなたが鱒だったらきっとパクリでしょう。(^o^;

 里川に棲む大型の鱒は俗に「フィッシュイーター」と呼ばれ、小魚を餌としている場合が多く「ハヤ」「オイカワ」「稚鮎」なんかを食べていますから、フライもそれ相応にアレンジして使います。小魚のイミテーションというとストリーマとなりますが、規模の小さい河川で、やはりウェットに歩があると私は感じています。

 里川には必ず人工的な滝(堰堤)があり、この下が滝壷となって大型魚が入っていますが、ここの鱒は常にイジメにあってスレていて釣るのはちょいと難しいのですが、ウェットで超スローリトーリーブをすると簡単に釣れる場合があります。堰堤にも流れのスジやミヨが必ずあって鱒の付場があり、ここを狙って微妙な誘い(小刻みにスローリトリーブ)攻略すればなんのことはなくヒット! 但し、堰堤でも魚は「ひらき」近くに付いている場合が多いので、スタンスは「立ちたいと思った場所から2歩さがって」を基本に考えれば、鱒を驚かせることなくフライをプレゼントできるでしょう。 (^^;  但し、2歩下がることによってフライをプレゼントしづらくなったり、水中の様子を観察できなくなりますが、そこはフライマンらしく日頃磨いているテクニックでカバーですね.(^o^;

 次にプールでの攻略ですが、里川の場合は源流部と比べると極端に付き場が変わってきます。普通は落ち込みから白泡が消える場所や流心がわかるような流れに変化のあるところと考えがちですが、里川はプール中央の完全な平場で岸に葦なんかが生えていればその際が絶好のポイントとなります。ここは、ほとんどの釣師が見過ごして釣らない場所なので春から夏にかけてビシバシヒットするところでもあります。 それに、たいがいは川幅が広く水深もないので、他の釣り方の場合敬遠されがちですし、餌釣りなんかの場合リーチがないため立ちこみをせざるを得ませんが、フライであれば楽勝で攻略可能でしょう。

 それともう一つ見逃せないポイントがあります。それは「護岸」でありまして、ある程度年数が過ぎていれば、下が抉られて淵や深瀬を形成しています。特にカーブにある護岸はほとんどといって良いほど好ポイントとなってますネ。
 ここを攻略する場合は、流心が流れの中央寄りにあれば問題ないんですが、流心が対岸にある場合は単純にアップクロスで攻められないことがあります。それは、アップクロスでキャストした場合のフライ着水位置が流心部となるので、ウェットでの最大の武器であるターンが効果的に行えないということです。ですからこんな場所を攻略する場合は、手前の浅瀬をドラックフリー&リトリーブで釣ったあと、小刻みなターンにより誘いをかけられる真横からのクロス&リトリーブで攻めれば良いでしょう。

 里川でのキャストは、「最初のキャストはバックキャスト2回フォルスキャスト1回でフィニッシュ!」し、「2回目以降はロールキャストでピックアップしバックキャスト1回でフォルスキャストなしのフィニッシュ!」か「ロールキャストのみでフィニッシュ!」
 流れが穏やかで安定しているので、ドロッパーは2本から4本を状況に応じて使用し各々には違ったパターンで違ったサイズのフライをセットし、ヒット率を格段に向上させて下さい。ドロッパー(枝針)はリーダー先端のトップフライから約1ft間隔で長さ5cm程度にセットします。この場合、キャスト時にリーダーと絡まないようにリーダーに対して直角に取り付けるようにすることと、使用するティペットは3x以上の張りのあるものが良いですよん。(@''@)

【5】 大川(本流筋)での攻略

 大川での攻略は、パワーウェットなるタックルが最近注目されていて、ストリーマを使った超ロングキャスト+クロス&ターンの釣方で、雑誌等で目にするサクラ鱒狙いで多用されますが、ここでは普通のウェットでの攻略をお話ししましょう。(^^;
タックルは、里川システムよりも少しヘビーとなります。

    ロッド   9ft#6(パラボリックアクション)
    ライン   WF#5S
    リーダー  3x 8ft
    ティペット 3x 1ft
    ドロッパー 2x 1/4ft 1本〜2本
    フライ   #6〜#12
[クロス&ターン]
 流れに対して直角にキャストを行い、ドラッグフリーでラインが斜め下流に一直線となるまで流し、ドラッグがかかると同時に流心を横切る大きなターンによりポイントを通過させる。

 大川の場合、ある程度のロングキャストが必要となるのと、落ち込み・瀬・淵の何れもスケールが大きくなるので、ウェイトフォワードライン(WF)&シンキング(S)システムとします。会津大川(阿賀野川)や伊南川等の本流を狙う場合、大水量の重い流れと広い川幅を攻略するため、フルラインキャストが必須となりますから、ダブルテーパー(DT)ではなく水流の抵抗が少ないWFを使用してライン沈下を早めるためにシンキングラインを使い、ドロッパーは風の抵抗が多いので少なめにするのが良いと思います。

 基本的な釣り方は里川や源流と同じなんですが、なんせ川が大きいので川への立ちこみも必要になりますネ。 川幅が50mなんて所は、流心をはさんだ対岸の鱒を狙う場合立ちこみをしないとまるで歯が立ちません。ここで心配されるのは鱒への影響なんですが、流心の反対側にいる鱒へのプレッシャーまずないと言えます。

 キャストは流れの対岸にクロスでキャストし、ナチュラルドリフトで可能な限りフライを泳がせて、一気に流心をドラッグクロスして大ターンを行います。たいがいはこの瞬間にガツンときますが、場合によってはフライを追いながらラインが延びきるまで付いてきている場合がありますので、ラインが延びきったら3回程ラインを手繰ってスゥイースゥイーとやってみて下さい。そうするとフライを追っていた鱒がガツッとヒットする場合がありますよん。(^^;

 それともう一つ重要なことがあります。それは何処に魚がいるかということですネ。なんせ小さな川と違って何処を攻めてよいのか・・・・ きっと最初はつかみどころがないとおもいます。基本的には普通の渓流と同じなんですが、岸からの距離や水深が大きく違うので、それをいかにクリアするか! を考えて釣ることが大切です。
 大川は落ち込み・瀬・淵ともスケールが大きいんですが、スケールの割に川底は単調な場合が多く、プール等は底が砂て埋まってる場合がほとんどです。落ち込みの脇や白泡の切れ目等には鱒が付いていますが、砂底のヒラキ部分には鱒はいないと思って間違いないでしょう。しかし、砂の中に沈石なんかがあればその前後には鱒が付いている可能性が大きいので、攻略すべきポイントでしょう。
 このようなところを釣るは、ポイントの上流にスタンスをとり、フライが沈石の直前や直後でターンさせてあげれば、反射的に食いついてきます。本来アップストリームが原則なのですが、この場合なぜダウンストリームかというと、アップストリームは流速がありポイントまでの距離が長い場合は下流方向へ強いドラッグがかかりフライが下流に流され、ポイントにいる鱒に対してプレッシャーを与えることにもなりかねない為です。

【6】 用水での攻略

 用水は、田園地帯には必ず存在していますし、発電所への誘水や別河川への引水といった具合に、いたるところに建設されて「3面コンクリート」や「2面コンクリート」の近代的?なものから、「石垣の護岸」や一見すると用水とは思えない「ただの川」なんてのもあります。

 人が釣らない用水堀を捜せば、そこは「あなたのプライベートクリーク!」でありますよん。きっとビシバシ釣り放題ですよん。(^^;

 用水の釣り場は、放流なんかもしてないし、漁協も管理してないので、よく見かける案内板なんて無いし、住民も釣れることを知らない場合多いです。(住民が釣れる事を知ってる場合、そこは地元釣師攻められていると考えた方が無難ですよォ。 「まさかこんな所に・・・ と、思えるところにこそ大物が!」を意識して場所を捜してみて下さい。きっと近くに良い場所があるはずですよぉ。(^^;
 用水は堀割りのため、流れに変化がなく一見ポイントらしきところは見あたらないんですが、じつは底に石があったり落ち込みの巻き返しやカーブの巻き返し等のポイントがたくさんあって、必ずと言って良い程鱒達が付いているんですよ。(^^;

 私がよく出没する用水は、発電所用の取水堤と潅漑用の取水堤が平行して流れている用水で、一部は自然の川の様に護岸等が無い所も有るんですが、ほとんどは3面コンクリートの用水で、幅3mに満々と水をたたえて流れています。
 私も用水堀等眼中になかったのですが、その日はどこの川も先行者がいて、しかたなく用水を半信半疑で釣ってみたのが用水釣りの最初で、釣りはじめるとすぐにロッドは弓なりに弧を描いて尺足らず28cmヒットしたんです。それも取水している本流とは全く異なる体型をしたピンシャンの幅広ヤマメ! きっとこの用水に棲んでいる鱒は釣り師にプレッシャーをかけられることもなく、水量も安定しているのでからでしょう。 その後は、次々と尺前後のヤマメや岩魚がヒットしワクワクの釣行となったことは言うまでもありません。(^o^;

 用水はウェットでいちばん効果があるターゲットと私は感じています。それは川幅が狭く早く重い流れの場合が多く、鱒達の付いているポイントは巻き返し等のためにドライでは、フライにドラッグがすぐにかかってしまったり、巻き返しに吸い込まれて沈んでしまう場合が多いということもありますが、もっと問題となるのは水深があるということですしょう! どうしても鱒達は底に潜んでいますから、水面を釣るドライの場合フライをくわえる前にドラッグがかかってしまいますが、ウェットであれば最初からドロッパーを使用して、表層・中層・川底と攻略できるのと、ドライでは大敵なドラッグを使って誘えるという強力な武器があり思い通りの釣りができる訳でです。

 川幅が広ければアップクロス&ターンで攻略できますが、5m以下となるとチョイと釣り方が変わってきて、ダウンクロス&リトリーブというテクニックを多用することになります。場合によっては、キャストせずにライン流れに乗せて引き出し、フライを下流に流し込んでポイントのまで達したらチョンチョンとアクションを与えて誘うという反則技を使う場合も・・・(やはりフライはキャストがないと反則だぁ!)

[ダウンクロス&リトリーブ]

 下流45゜方向にキャストし、ラインが延びきりドラッグがかかると同時にラインを数回少しづつ手繰り、流れを横切る大ターンと同時にリトリーブによる小ターンを繰り返し、完全にラインが一直線になったらリトリーブを行い、上流方向にフライを泳がせる。

【7】 最後に・・・

 内水面は「川」「湖」「沼」「用水」等が含まれるにもかかわらず、今回は「流れ」のあるところでの釣りに終始してしまいました。これは、解禁から禁漁までの「シーズン中ずぅ〜っと楽しい釣りができる場所を!」ということを意識したためと、流れでのFFが私個人の趣味でもあるためです。(^^;
 湖沼の場合は特殊な場所を別にすると、どうしてもシーズン初めの一時期しか鱒を狙えないのが実状であり、半年以上にも及ぶシーズンのほとんどは流れでのFFとならざるを得ません。そのため私は「フライ=流れの釣り」と意識しているわけです。(^^;

(注)上記マニュアルは執筆者朝倉さんに帰属し、作者の了解無しに他へ転載することを禁じます。

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