Q1 分析批評で,「作者」と「話者」の違いを子どもたちに分かるように指導するにはどうすればよいでしょうか?
 分析批評による国語の授業をやってみたいです。
 「作者」と「話者」の違いを子どもたちに分かるように(たとえば5年生に)指導するにはどうすればよいでしょうか?
A1 夏目漱石の「我が輩は猫である」などがよい。「作者」と「話者」の違いが分かりやすい。
 「春」を例に,この両者が違うというのを教えるのは,教えにくいです。
 一番わかりやすいのは,例えば『我が輩は猫である』でしょうか。この本を書いたのは,ねこが書いたんですか。
 これは違いますね。「吾輩は猫である」と書いてある。これは語り手です。話者という風に表現しますけど,書いたのは夏目漱石です。従って,作者というのとは違います。
 ですから,「吾輩は猫である」というのは分かりやすいでしょう。  それから,大森先生が開発した中で「ざりがに」という詩があります。「ぼくはざりがにを取りに行った。」と言う詩です。子ども風の詩です。それで,これが男か女かと聞くと,みんな「女の子」と。大人か子どもかと聞くと,みんな「子ども」なんていいますが,実はこれは,みお何とかという女性の大人の詩です。
 ですから,「作者」と「話者」この中でいうと「ぼくは取りに行った」というのは違う。この作者が,「ぼく」となりすまして書いているのです。
 なりすましているんだという部分を教えるには別のものがいいです。

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