21世紀の南東北を拓く道
-福島・相馬・米沢地域経済開発懇談会東京大会
平成11年10月28日 東京 JAビル
毎年開催している福島・相馬・米沢3商工会議所による地域経済開発懇談会が東京大手町のJAビル国際会議室を会場に開催されました。当日はおよそ300名が各地域から参集。「21世紀を拓く東北中央自動車道」と題したこの懇談会では講師に建設技監の青山俊樹氏を迎えての基調講演のほか、3地域を代表して刺子作家の遠藤きよ子さん(米沢市)からは東北中央自動車道の必要性について意見発表がありました。 |
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美しく、豊かな東北に 建設技監 青山俊樹氏 |
福島・相馬・米沢三商工会議所は、昭和50年代から、県境を超えた地域連携と経済開発、さらには高速道路による地域開発をテーマとして、積極的な活動を展開してまいりました。 この東京大会ではこれまでの経緯や成果を踏まえ、地域連携の主軸となる東北中央自動車道相馬〜福島〜米沢間、とりわけ、まだ基本計画区間となっている相馬〜福島間の早期建設について、地元産業界の熱意を重ねてアピールしようとの目的で開催したものです。 当日ははじめに主催者代表として米沢商工会議所大友久太郎会頭より「高速道路建設には莫大な費用がかかる。それだけに、道路財源の確保や、投資費用に見合うような有効利活用方策の検討が必要不可欠。それらについて一緒に考えてみたい」と挨拶しました。 |
続いて、建設技監の青山俊樹氏を講師に迎え「より良い国土づくりと東北の未来」と出して基調講演を行なわれました。青山氏は欧米諸国との社会資本整備の歴史的背景や今後の人口変化などを比較しながら、「現在、公共事業はフロー、ストックの両面から社会資本を進めて行くべき時期に差しかかっている。将来ビジョンとして安全・活力・美しさの3つの要素を兼ね備えた国土を作っていくことが大切」と強調。「特に豊かな自然と歴史・文化を持っている東北地域が真の意味でより豊かになることを願う」などと述べ、次世代まで見据えた効果的な社会資本整備を鋭意進めていくためにもこの3地域が進めている東北中央自動車道の建設を重点的に進めていくことが重要になってくるだろうと語られました。 |
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早期建設に向け決意表明 ― 福島・米沢両市長 |
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明るい未来を予感 意見発表の遠藤きよ子さん |
福島・吉田市長からは「福島の果物、相馬の海産物、米沢の牛肉が東北中央道を通じて交流し、太平洋と日本海を結ぶことにより各地にある「道の駅」が活きてくる。両県に表れている川の美しさ、山の緑の美しさ、これを国民的な資産として提供できるのは東北中央道である」と述べ、大会を通じ早期建設に向けて3地域の力を結集していきたいと語りました。 また、米沢・橋市長からは「東北中央道は県域を越えて結びつき、影響を与えながら南東北の発展に寄与している。ひと頃、建設省にも「国づくりは道づくりから」と懸垂幕が掲げてあった。まちづくりも地域づくりも道づくりであろうと思っている」と述べ、相馬〜福島〜米沢間の一日も早い建設をと話されました。 |
意見発表では3地域を代表して刺子作家の遠藤きよ子さん(米沢市)が発表。一般の主婦の立場として「日々の生活で感じているのは他地域の方々との交流やふれあいが、如何に私たちを豊かにしてくれるかということ。それぞれの地域の特色ある資源、例えば米沢の場合は米沢織なども、他地域との交流を通じて発信していかなければ、当然のことながら知ってはもらえない。逆に、他地域の資源も知りたいし、触れてみたいもの。そうした意味において、この東北中央自動車道によって福島や相馬と太く、そして早く結ばれることは、明るい未来を予感させる。東北中央自動車道を如何に有効活用していくかについて、真剣に考えている。一日も早い東北中央自動車道相馬〜福島〜米沢間の早期完成を願ってやまない」と早期建設の必要性を強く訴えられました。 |
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大会決議を満場一致で採択した後、3商工会議所合同で、建設省などへ早期建設を要望しました。 今後とも3商工会議所は東北中央自動車道の早期建設に向け一丸となって取り組んでまいります。 |